最近、ギターのシールドケーブルとパッチケーブルが入り用になったので作りました。
自作ケーブルはプラグとケーブル(あと、ハンダとか)があれば、簡単に作れてしまいます。
でも、どうせ自作するなら、カラフルでお洒落でユニークなケーブルにしたいと思って、あるものをプラスアルファしました。
TECHFLEX
いわゆる「PETチューブ」です。「外装スリーブ」とか「メッシュチューブ」とか「編組チューブ」とか「保護スリーブ」とか呼ばれているようなものです。
その中でも有名な「TECHFLEX」。「TECHFLEX」はメーカー名で、商品名的には「フレクスオ PET(FLEXO PET)」というウワサも。でもとりあえずここでは、「TECHFLEX」で。
「TECHFLEX」は、カラーバリエーションが豊富だし、丈夫なのでケーブルの保護になるし、TECHFLEXにケーブルを通すだけで、既存のケーブルとの差別化を図れます。
音に関しても、締まった音になるって話もチラホラ聞きます。
TECHFLEXはオヤイデ電気、Garrettaudio、SPREAD SOUND、あとはeBayなどでネット購入できます。
TECHFLEXを使用する際の注意点
TECHFLEXなどのPETチューブを使う際には少しだけ注意点があります。
プラグの対応ケーブル外径
ギターシールドケーブルの外径はだいたい6mmくらいです。
- MOGAMI(モガミ)2524 径6mm
- CANARE(カナレ)GS-6 径6mm
- BELDEN(ベルデン)8412 径6.65mm
- BELDEN 9395、9778 径5.97mm
これらのケーブルに「TECHFLEX」をつけると外径7.0~7.3mmくらいになります。
さらに熱収縮チューブをつけようと思うと、外径8mmくらいになります。
対応ケーブルの外径が6mmくらいのプラグのハウジングには「TECHFLEX」を装着したケーブルを通すことができませんので、注意が必要です。
例えばAMPHENOL(アンフェノール)のACPM系はゴムブーツ(ゴムのキャップ)がついていて、対応ケーブルが最大6mmです。「TECHFLEX」を装着したケーブルゴムブーツに通せません。ただ、ゴムキャップを外せば、8.6mm径のケーブルが通せます。
NEUTRIK(ノイトリック)のNP2X、NP2RX系は対応ケーブルが最大7.0mmですが、径7.3mmでも何とか入ります。
G&Hの BF2P、RF2P系も対応ケーブルが最大7.0mmですが、径7.6mmまで通せます。
SWITCHCRAFT(スイッチクラフト)の280、226は対応ケーブルは最大6.3mmですが、図面を見ると、0.323インチ(=8.2042mm)なので、はまると思います。試してませんが。
PETチューブの長さ
TECHFLEXなどのPETチューブは編み込んでありますので、ケーブルを通すと広がり、逆に長さは短くなります。
例えば1mのケーブルに1mのTECHFLEXを被せてみても、TECHFLEXが1mには数cm足らなくなります。
なので、PETチューブはケーブルより1.1倍ほど長く用意しておく必要があります。
シールドケーブル、パッチケーブル作成
ここから実際に自作したケーブルの作成過程をお送りします。
ケーブルはすべてMOGAMI(モガミ)2524を使用しました。
TECHFLEXは1/4インチのものを使用しています。
TECHFLEXには様々な内径サイズのものがありますが、よくあるギターケーブルなら1/4インチのものを選べば、間違いないです。
NEUTRIKプラグ × TECHFLEX(Superhero)
どうせ作るならユニークなものをということで、「Superhero」というカラーを選びました。よく見ると青とオレンジが編まれているのですが、遠くから見ると紫のようなピンクのような色合いで、見る角度で違います。
TECHFLEXはケーブルが少し透けて見えますので、ケーブル本体のカラーによっても印象が変わります。
例えばですか、カナレGS-6のレッドとブルーに装着すると、こんな感じになります。
だいぶ印象が変わりますよね。
プラグはNEUTRIK(ノイトリック)のNP2X-B(S型)とNP2RX-B(L型)を使用します。
元は、ケーブルが500cm、TECHFLEXが572cmありました。
ケーブルをTECHFLEXに通していきます。
ケーブルを入れていくというよりは、少しTECHFLEXを押し込むと膨らみますので、その間にケーブルを掴んでもとに戻すといった感じです。バルーンアートの風船の空気を動かす感じに似てるでしょうか。
5m通すのはまあまあ苦労します。通し終わったら、TECHFLEXが42cm残りました。500cmのケーブルに530cmのTECHFLEXを使ったことになります。
TECHFLEXに通したケーブルは触り心地がイカつくなります。
TECHFLEXがズレたりしないようにプラグのハウジングで隠れるところに瞬間接着剤をつけてケーブルとTECHFLEXを固定しておきました。念の為ですが。
あとは、ケーブルの先端をハンダづけしやすいように加工して、プラグとハンダづけするだけです。
ノイトリックのハンダづけに関しては以前もやってますので、こちら参照。
そして完成したケーブルがこちら。
めちゃくちゃかっこいい!
G&Hプラグ × TECHFLEX(Patriot)
3mのケーブルも欲しくなってまた自作しました。
今回は初めてG&Hのプラグを使います。BF2P-NNN(S型プラグ)とRF2P-NNN(L型プラグ)です。
そしてTECHFLEXは誰も使ってそうにない「Patriot」というカラーを選びました。赤と白と青の縞模様です。トリコロールというか床屋のサインポールというか。
ちなみにこれまた、カナレGS-6のレッドとブルーに装着すると、こんな感じになります。
BF2P-NNNとRF2P-NNNは最大経7.6mmのケーブルが通ります。
G&Hはかしめてケーブルを固定しますので、TECHFLEXごとかしめれば、瞬間接着剤も熱収縮チューブで固定する必要はありません。
ケーブルは309cm、TECHFLEXは342cmにありました。すべて通したら2cm残りました。309cmのケーブルに340cmのTECHFLEXを使ったことになります。
まずは、RF2P-NNN(L型プラグ)から仕上げていきます。
ノイトリックと違って説明書とかなかったんで、23mmほど外側の被膜を剥いてシールド線(コールド)を出して、内側の被膜も10mmほど剥いて芯線(ホット)を出しました。
G&Hのプラグはノイトリック等、他のプラグと違って、シールド線(コールド)をハンダ付けする場所がピンポイントに決まっているわけではないので、ある程度融通がきくというか、先にPETチューブごとケーブルをかしめてもシールド線をハンダづけできそうだと思って、先にケーブルをかしめました。
まずはシールド線(コールド)からハンダづけします。ケーブルをかしめてから気づきましたが、予備ハンダをつけるのを忘れました。
芯線(ホット)を無理やり向きを変えて、シールド線(コールド)をハンダづけしました。
芯線(ホット)は長めに取ってありますので、端子の穴に巻きつけてハンダづけしました。黒い絶縁被膜を取るのを忘れていたので、後で取り除きました。
パーツをつけて、絶縁テープみたいなのをハウジングにいれおきながらハウジングを締めていけば完成です。
続いて、BF2P-NNN(S型プラグ)を仕上げていきます。
こちらは15mmほど外側の被膜を剥いてシールド線(コールド)を出して、内側の被膜も10mmほど剥いて芯線(ホット)を出しておきます。
L型プラグと同じように、ケーブルをかしめてから、シールド線、芯線の順でハンダづけをしていきます。
そして、絶縁チューブを中にいれたままハウジングを締めれば完成です。
これまたお洒落にできました。
AMPHENOLプラグ × TECHFLEX(Carbon)
パッチケーブルも作りました。
プラグはこれまた初めて使うAMPHENOL(アンフェノール)です。
ACPM-GN(S型)とACPM-RN(L型)です。
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