Squier Affinity Telecasterの改造、まずはブリッジ交換です。
このテレキャスは弦がブリッジに固定されるトップロードスタイル。テレキャスと言ったらストリングスルーらしい。
それにブリッジがブロックサドルタイプ。テレキャスと言ったらヴィンテージスタイルのブリッジらしい。
全部伝聞系だが、というのもレスポール一筋で生きてきた僕はテレキャスターのことがまったくわからないのです。
アベフトシのムック本を読んで勉強して、Fenderの「ビンテージスタイル 6WAYサドルブリッジ」に交換しようと決めました。
だけど、6WAYサドルってのが少し邪道で、3WAYサドルが王道っぽい。
3WAYサドルはオクターブチューニングが合わないという弱点があり、それを克服したのが、6WAYサドルのはず。
だけど、最近じゃサドルがいろいろと改良されて、6WAYサドルは人気がなく、中古でもなかなか無いようだ。
「とりあえず3WAYサドルのにしといて、気に食わなかったりお買い得な6WAYサドルが見つかったらまた交換しよう!」
ということで、中古のビンテージスタイル 3WAYサドルブリッジを購入。
テレキャスターの分解
まずは、弦の裏通し穴加工とブリッジ交換の際に邪魔なパーツを外しておきます。電装系統とネックですかね。
まずコントロールパネル部分。
ボリュームとトーンのノブは2mmの六角レンチを使って取ります。
ボリュームノブは簡単に取れましたが、トーンノブはイモネジを取っても全然取れる気配がない。
最初は優しく丁寧チカラをかけてとろうとしていたけど、そのうちムカついてきて、グリグリやっていたらポットの軸が無限に回るようになり、いい加減ムカついて引き千切ってやりました。
引き千切ったノブを見てみるとポットの取り付け軸とノブの間に鉄板みたいなのが噛ましてあって外れないようになってました。なんだこれ?
ポットとノブはそのうち購入するとして、次にコントロールプレートを裏返して、配線をメモります。そして外さないと取れない箇所のハンダを外していきます。
ハンダ付けなんか日常ではやらないので、今回のためにいろいろと買いました。ハンダごては家に60Wのものがありました。ハンダ吸い、コテ台、ピンチ、ハンダは評判の良いケスター44を買いました。
コテ台、ピンチ(ヒートクリップ)、ハンダ吸いはAmazonで超安いものがありました。これで十分です。
ハンダごては30Wのものがよくありますが、30Wだと熱が弱くてイライラするらしいので、60Wがおすすめです。
ピックアップの配線とアウトプットジャックの配線を外せばすべて取れました。
ブリッジの位置決め
次にブリッジの位置決めです。
あらかじめ元のブリッジのサドルの頂点の位置と、ブリッジの中心線をマスキングテープを貼った上に記しておきます。
サドルの頂点は12フレットから測るとちょうど324mm。スケールが648mmだからちょうど合ってました。
その後、ブリッジを外してみます。
リアPU部分のザグリは幅76.2mm、縦は短いとこが36mm、長いとこが54mm、深さは30.6mmでした。
思っても見なかったのは、弦アース用の穴がコントロール部から貫通していたことです。
まぁそれは気にせず新しいブリッジの位置を決めます。
サドルの頂点部がマスキングテープに記したとこを通るように、そしてネックとブリッジプレートの中心が合うように置いて、マスキングテープで固定します。
そして穴を開ける箇所をマーキングします。。。と思ったら弦アース穴(ブリッジアース穴)と右から2番目のビス穴が干渉している。
ということは右端のビス穴箇所も中は空洞になっているということ。。。
このまま穴を開ければビスがユルユルのグラグラになる可能性があるので、弦アース穴は埋めなければ。。。1つやることが増えた。
とりあえず、4つのビス穴位置と6つの弦通し穴位置をサインペンでマーキングしておきます。
弦アース穴(ブリッジアース穴)埋め
弦アース穴はφ5mmくらいでしたので、ホームセンターでφ5mmの丸棒を買ってきました。材質は不明。
マスキングテープでマスキングした後、ギター加工でおなじみのタイトボンドを流し込んでいきます。もちろんコントロール部側はマスキングテープで塞いであります。
タイトボンドがほどよく流れ込んだら、丸棒をぶっ刺します。そしてほっておくこと半日ほど。
はみ出した部分をノコギリで切りました。ノコギリがデカすぎてボディを少し傷つけました。
丸棒だけではうまく埋まらなかった箇所には、丸棒をヤスリで削った粉とタイトボンドを混ぜたパテのようなものを作り、隙間を埋め、乾いたらヤスリをかけて平らにしました。
裏通し穴加工
ここからが一番大事なところ。
用意したものは、電動ドライバー、ドリルスタンド、水平器、目打ち、ロングドリルビット、ドリルビットセットです。
サインペンでマーキングした箇所を目打ちで突いていきます。これでドリルビットの先がずれないようにします。
本当ならボール盤でキレイにまっすぐ穴を開けたいところですが、ボール盤を持っている人も借りれる場所も見つからなかったので、電動ドリルとドリルスタンドと水平器でがんばります。ドリルスタンドはAmazonで、水平器は100均のものを分解しました。
※ホームセンターではボール盤の貸出をしているところはほとんどないと思いますが、ホームセンターに併設する工房や工作室にはボール盤があって借りれるところがあるみたいです。僕の家の近くにはありませんでした。ギターのボディを持っていくのは少し恥ずかしい気もするが。
まず最初に、1弦と6弦の通し穴を2mmのドリルビットで貫通させます。ここを1番慎重に行いました。通常のドリルビットでは短すぎて貫通させられないので、ロングドリルビットを使用しました。
ドリルスタンド単体では水平/垂直がとれないので、水平器を使ったほうがよいです。ドリルスタンド単体だとボディに対して垂直を取ることも難しいし、スライドバーとスライドホルダーに少しあそび(クリアランス)があるためチャックがぐらつきます。そこらへんを水平器でカバーしました。
思ったより正確に穴を開けることができました。
1弦と6弦の穴がが開いたら、ボディの裏側からブリッジを当てて2~5弦の穴の箇所をサインペンでマーキングします。1弦穴と6弦穴を先に直線でつないでからマーキングすると、2~5弦穴もまっすぐ並んで仕上がりがキレイになります。サインペンはボディに書いてもあとで除光液で消せます。
マーキングし終わったら、ストリングブッシュ穴を開けます。ストリングブッシュはストリングフェルールとも言うらしいです。
購入したのはストリングブッシュは「Gotoh TLB-1 Nickel」。中古で買いました。
Gotohのストリングブッシュは直径φ8.3、埋まる高さが8mmくらいなので、とりあえず8mmのドリルビットで8mmほど穴を開けます。
コツとしては、最初に逆回転で円の傷をしっかりと付けて置いてから通常回転でゆっくり削っていくこと。いきなり削りにいくと表面がバリっと削れて不格好になります。5弦と3弦の穴がまさにそれです。6弦が上手く行き過ぎて調子に乗ってしまいました。
もちろんドリルビットは木工用のものを使うこと。木工/鉄工兼用なドリルビットはキレイに開けられません。木工用は中心に小さく尖った部分があり外周に刃がついているので、キレイに開けることができます。
ストリングブッシュ穴が開けられたら、2~5弦の穴を開けていきます。穴を開ける時は、ボディの片側から貫通させるのではなく、ボディの表と裏の両方から開けていき中心で穴がつながるようにするとキレイに開けられます。まずは2mmのドリルビットで開けていき、2mmが済んだら2.5mmで穴を広げ、最後に3mmのドリルビットで穴を広げれば完了です。
キレイに中心に穴が開きました。
弦通し穴が終わったら、ブリッジプレートのビス穴を2.5mmのドリルビットで開けます。
次にストリングブッシュの穴経を8.3mmまでヤスリがけをして大きくしていきます。
3mmのラミン棒に#120のヤスリを巻いて穴を少しずつ大きくしました。
ストリングブッシュがちょうどハマるくらいの大きさまで開けます。本当ならタイトボンドでストリングブッシュをボディに固定しますが、塗装剥離をする予定なので、はめるだけにしときます。
素人のわりにうまく開けられたと思います。ストリングブッシュがガタガタに並んでいると超ダサいんで、ひとまず安心です。
ブリッジ交換
最後に新しいブリッジを固定していきます。
ブリッジビスはどれが良いのかわからず悩んだけど、#6×1インチのやつにしました。
ビスを留めたら、外したネックを元に戻し、電装系もハンダをつけ直して元に戻しました。ハンダがボディに垂れました。
トーンポットが間に合わなかったのでそのまま戻しました。
完成
ということで、完成しました。
弦を裏通しにしたことによって、ボディが響いている感じがするようになったし、ブリッジを交換することによって、テレキャスのジャキジャキ感が出てきたような気がします。
とりあえず「弦の裏通し穴加工とブリッジ交換」は大成功です。
コメント
はじめまして。
こちらのブログを拝見して、同じく安ギターに穴をあけました。
その際、大変参考にさせて頂きました。
特にドリルの逆回転については、目から鱗でした。
一言、お礼を申し上げたく、コメントさせて頂きました。
ありがとうございました。