おすすめ漫画「さよなら私のクラマー」の記事を書きました。
その中でも少し触れたけど、この漫画はサッカー用語がたくさん出てきます。
最近のサッカー事情に詳しくないのか、わからない用語がたくさんあったので、この記事でまとめてみたいと思います。
さよなら私のクラマーに出てくる用語解説
ダイナモ
単行本1巻にて、周防すみれが読んでいた、サッカー雑誌に載っていた曽志崎緑の記事。
「ダイナモ」とは、運動量豊富な選手のことです。
ダイナモ(Dynamo)の意味は、もともと「発電機」をあらわす英単語で、サッカーにおいては、常に電気をおこす発電機のような、豊富な運動量を備え、攻守にわたりピッチをアップダウンしてチームに貢献する選手を意味します。
ダイナモサッカーの意味とは?チームを支える重要な役割 – Activeる!
サッカー雑誌に載っちゃうなんて、さすが麻呂マユです。
シザーズ
単行本1巻。蕨西南の女子サッカー部に入部してすぐの紅白戦でみせた恩田希のフェイント。
「シザーズ」とは、ボールをまたぐフェイントです。
シザースとはサッカーで相手を抜く際の技術の1つで、試合中にもよく使われるポピュラーなフェイントであり、やり方もボールの上をまたぐという非常に簡単な動作で行うことができます。
シザースのやり方とコツ!サッカーのドリブルテクニック – Activeる!
シザースは日本語で「ハサミ」を意味し、ハサミを動かすかのようなフォームで繰り出されるためそのように名付けられており、日本では少年サッカーの低学年ではじめに教えられるフェイントです。
フィクソ / アラ / ピヴォ / ゴレイロ
単行本3巻、久乃木の井藤春名と佃真央とともにフットサルの試合に出るシーンにて。
フィクソ・アラ・ピヴォはフットサルにおけるポジションです。
ゴレイロ:ポルトガル語で「ゴールキーパー」の意
フットサルのポジションとその役割について | フットサルクラブ FC …
フィクソ:ポルトガル語で「舵取り」の意
アラ:ポルトガル語で「サイド」の意
ピヴォ:ポルトガル語で「軸、中心」の意
サッカーで言うと、フィクソがDF、アラがMF、ピヴォがFWになります。
パラレラ
単行本3巻より。フットサルの試合で、井藤春名と曽志崎緑がうまくパスを繋いで、ゴールを決めた際に越前佐和が言ったひとこと。
「パラレラ」とは、フットサルにおけるボールを受ける動きのことです。
「パラレラ」とはポルトガル語で「平行」という意味があります。「パラレラ」という動きは、サイドラインと平行に出されたボールを受ける動きのことです。パラレラを三枚のスライドとともに説明します。
知れば差がつく動き方!「パラレラ」の動きでボールがもらいやすく …
シャペウ
単行本3巻。フットサルの試合中、井藤春名のフェイントに観客?が言ったひとこと。
「シャペウ」とは、相手の頭上を越して相手を交わす抜き技のことです。
シャペウとはポルトガル語で帽子を意味する言葉で、サッカーではドリブルで相手を交わすフェイントの1つの名前として使われています。このテクニックは、相手の頭上を越して相手を交わす抜き技で、実行するまでに様々な要素が求められるレベルの高い技です。
シャペウのやり方とは?サッカーのドリブルテクニック! – Activeる!
シャペウは単行本7巻で、栄泉船橋の国府妙もやってます!
ビアンコネロ / ブラウグラナ
単行本3巻より。ワラビーズ(蕨青南高校)の新しいユニフォームをお披露目会にて。
「ビアンコネロ」とはユベントス、「ブラウグラナ」とはバルセロナのことです。
ビアンコネロとは、白と黒をチームカラーとするイタリアのスポーツクラブの愛称。有名どころはユベントスであるが、ウディネーゼ、ACシエナも該当する。
ビアンコネロとは | スペイン発!熱狂リーガ上陸 SPORT スポルト
ブラウグラナとは、カタラン語で青とえんじ、バルサのユニフォームのカラーを指し、バルサの愛称として使われる。
ブラウグラナとは | スペイン発!熱狂リーガ上陸 SPORT スポルト
この場合は、ユーベやバルサというチームというより、ユニフォームのデザインについて言ってるっぽいです。
ファルソ・ヌエベ
単行本5巻にて。対浦和邦成高校戦で、顧問の深津吾朗が天馬夕に対して発した言葉。
「ファルソ・ヌエベ」とは、かんたんにいうと、「トップ下」の働きもするセンターフォワードのことです。
9番の選手というのは点を取る選手、すなわちセンターフォワードを指します。 ー中略ー 偽9番の大前提は、9番と同じ役割が可能であるという点があります。その役割に加えて、ゴールから離れた位置に移動し、自分よりも前線にいる味方プレイヤーに対してパスを供給する役割も担うのが偽9番です。
サッカー戦術紹介~偽9番とその活用~ | FCクロコダイル
ドッピエッタ
単行本5巻より。浦和邦成の安達太良アリスが2点目を決めたシーン。
「ドッピエッタ」とは、イタリアのサッカー用語で「2ゴール」の意味です。
『ドッピエッタ』・・1試合2得点の意味
ドッペルパックやドッピエッタの意味は?各国サッカー得点言葉一覧
『トリプレッタ』・・1試合3得点の意味
『ポーケル』・・・・1試合4得点の意味
『チンクィーナ』・・1試合5得点の意味
ちなみに、同じく単行本5巻でタケ(竹井薫)が「ドッペルパック」と言っていますが、これはドイツのサッカー用語で、これまた「2ゴール」を意味します。
アルダ・トゥラン
単行本5巻より。天馬夕が曽志崎らに対して、浦和邦成サッカー部に入部を命令するシーン。
「アルダ・トゥラン」とはトルコのサッカー選手です。
アルダ・トゥラン(Arda Turan, 1987年1月30日 – )は、トルコ・イスタンブール出身のサッカー選手。トルコ代表。FCバルセロナ所属。ポジションはミッドフィールダー。
アルダ・トゥラン – Wikipedia
なぜここで「アルダ・トゥラン」 が出てくるかと言うと、おそらくアルダ・トゥランがアトレティコ・マドリードからFCバルセロナに移籍したとき、FCバルセロナは補強禁止処分を受けていたため、半年間ほど試合に出られず、高校女子サッカーも転校後半年は試合に出られないので、そのことかと思います。
クラッキ
単行本6巻にて、キレイな縦パスをいれた恩田希に対して、キャプテン田瀬恵梨子が言ったひとこと。
「クラッキ」とは、「名手」という意味です。
クラッキはスペイン語の「クラック」からきており、同じ意味でサッカーにおける「名手」を意味する言葉です。ここで指す名手というのは、観客を楽しませ利用なプレーが上手い人や、攻撃的なマインドの選手を指しています。
「クラッキ」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説! | 「言葉の …
ファンタジスタはよく聞きますが、こういう言葉もあるんですね。
ブラウラグナ / ロヒブランコス
単行本6巻にて。顧問の深津吾朗が、対戦相手の栄泉舟橋に対して言ったひとこと。
前述のとおり「ブラウラグナ」とは「バルセロナ」のことで、「ロヒブランコス」とは「アトレティコ・マドリー」のことです。
アトレティコ・マドリーといえば、クラブカラーの赤と白を基調としたストライプ柄のホームユニフォームが最も有名。Rojiblancos、スペイン語で赤がRojo、白がBlancoの意味。
アトレティコ・マドリー〜ユニフォーム編〜 – 超WORLDサッカー!
顧問の深津が言った「ブラウグラナ(青と臙脂)って言うよりも、ロヒブランコス(赤と白)だ」の意味は、おそらく「バルサみたいなユニフォーム着てるくせにやってることはアトレティコだな」という意味だと思います。
アトレティコは、2トップを守備組織に組み込んで、守備ブロックを10人に増員することによって、堅守速攻に徹したプレースタイルで、栄泉舟橋のスタイルがまさにそれです。
エラシコ
単行本7巻にて。本気を見せたサッカー史上最強のツインテール国府妙が繰り出したフェイント。
「エラシコ」とは、ロナウジーニョおなじみのドリブル技です。
サッカーにおけるエラシコという技の由来とは、ポルトガル語で「輪ゴム」を意味する言葉である「エラッスチコ」からきています。これは、サッカーボールが足の外側から内側へ移動する様子が、まるで輪ゴムが付いているかのようにスムーズだったことから、このように呼ばれるようになったそうです。
エラシコのやり方とコツとは?ドリブルテクニックの上達ガイド …
国府妙はエラシコ大好き。単行本8巻でも繰り出しますよ。
デュエル
単行本7巻において、栄泉舟橋のキャプテン浦川茜が国府妙に言ったひとこと。
「デュエル」とは、「1対1」のことです。
サッカーにおけるデュエルとは試合の個々の状況において、あらゆる一対一の状況のことを意味します。それはルーズボールの競り合い、一対一でのボールの奪い合い、フィジカルコンタクトの競り合いなど様々なシチュエーションに適用できる言葉です。一言で「球際の強さ」と言ってもいいでしょう。
【サッカー】デュエルについて徹底解説 | Sposhiru.com
国府妙はデュエルでは無敵です。
ゴラッソ / スーペルゴラッソ
単行本7巻において、国分妙が2点目を決めたシーン。
「ゴラッソ」とは「素晴らしいゴール!」という意味です。
元々のルーツはスペイン語の「GOL」と、「AZO」という「ゴール」と「素晴らしい!などの意味を強調する単語」の組み合わせで、「Golazo」が生まれ、「素晴らしいゴール!」という意味を持っています。
ゴラッソってなに?1つのゴラッソで観客を魅了し、サッカーで試合 …
9巻以降、ゴラッソが大量に出てきます。
そして、単行本10巻以降のワラビーズvs興蓮館戦では、「スーペルゴラッソ」が出てきます。
派生語としてよく聞くのが「スーペルゴラッソ」という言葉ではないでしょうか。こちらは「とても凄い、素晴らしいゴール!」という意味で、「Superior Golazo」と表記されます。「Superior」が「とても凄い」という意味を持っています。
ゴラッソってなに?1つのゴラッソで観客を魅了し、サッカーで試合 …
ロニー
単行本7巻において、越前佐和が、国分妙のボレーシュートに感激するシーン。
ここでいう「ロニー」とは「ロニー・ウィーラン」のことでしょう。
国府妙のボレーがロニー・ウィーランのスーパーゴールっぽいです。
1988年大会ではソ連(現ロシア)相手にアイルランドのロニー・ウィーランが歴史に残るスーパーゴールを決めた。ロングスローをダイレクトボレーで叩き込んだゴールは、今見てもインパクト大だ。
【サッカー】過去のEUROで決まったスーパーゴール10選 | ロケット …
それにしても、ノンちゃんもスーちゃんも、昔のサッカーに詳しいね。
ドブレーテ
単行本7巻において、曽志崎緑が栄泉舟橋対して勝ち越しのゴールを決めるシーン。
「ドブレーテ」とは、 スペインのサッカー用語で「2ゴール」の意味です。
スペイン語で1試合に2ゴールを決めること
ドブレーテ | スペイン発!熱狂リーガ上陸 SPORT スポルト
サッカーの得点言葉っていっぱいあるんですね。ハットトリックしか知らなかった。
トリデンテ
単行本8巻において、興蓮館の藤江宇海が、来栖未加、遠藤夏目、小山田早苗に言った言葉。
「トリデンテ」とは、バルサのリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールのことです。
スペイン語で三又(みつまた)の槍を意味し、アタッカートリオを指す。バルサであればリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの3人。
トリデンテとは | スペイン発!熱狂リーガ上陸 SPORT スポルト
宇海は、3人いたからとりあえずトリデンテって言ったっぽいです。
アラバロール / ファルソ・ラテラル
単行本9巻より。ワラビーズvs興蓮館戦にて、サイドバックの藤江梅芽が中に絞ってきた動きをみて、蕨西南の顧問深津が言った言葉。
「アラバロール」とは、サイドバックの選手がインサイドハーフのように振る舞うことです。
アラバロールとは、本来タッチライン沿いでプレーするサイドバックが内側にポジションをとる戦術です。守備時にはサイドバックとしてプレーしますが、攻撃時にはボランチやインサイドハーフのように振る舞います。
アラバロールとは?グアルディオラが見出した戦術を簡単に解説 …
また、「ファルソ・ラテラル」もまた、サイドバックの選手がインサイドハーフのように振る舞う役割のことを指します。
ビルドアップ時にSBがサイドではなく内側に絞り込み、あたかもIHのように振る舞う役割を指す。
バンジャマン・メンディに見る”偽サイドバック”の戦術的 … – 鳥の眼
「アラバロール」と「ファルソ・ラテラル(偽サイドバック)」は、同じ意味です。
偽サイドバックをダビド・アラバという選手が、偽サイドバックの先駆者的存在となり、彼の名前を用いてそのような役割をアラバロールと呼ぶようになったみたいです。
ムヒタリアン / ジルー
単行本11巻より。ワラビーズvs興蓮館戦で来栖未加が4点目を獲ったときにかけられた言葉。
「ムヒタリアン」も「ジルー」もサッカー選手の名前です。
ヘンリク・ハムレット・ムヒタリアンは、アルメニア・ソビエト社会主義共和国 (現アルメニア)・エレバン出身のサッカー選手。セリエA・ASローマ所属。アルメニア代表。ポジションはミッドフィールダーだが、フォワードやセカンドトップ気味のトップ下を務めることができる。また、センターハーフとしてもプレー出来ることから、ペースやスキル、強力なシュートを武器に得点を量産する姿に、元スコットランド代表のパット・ネヴィンにフランク・ランパードと比較された。
ヘンリク・ムヒタリアン – Wikipedia
オリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud、1986年9月30日 – )は、フランス・サヴォワ県シャンベリ出身のサッカー選手。プレミアリーグ・チェルシーFC所属。フランス代表。ポジションはフォワード。2018 FIFAワールドカップフランス代表の優勝メンバーであり、2018-19シーズンのUEFAヨーロッパリーグではチェルシーの選手として初めてヨーロッパのカップ戦において2桁ゴールを記録した選手となり、大会得点王を獲得、UEFAヨーロッパリーグ優勝に大きく貢献した。
オリヴィエ・ジルー – Wikipedia
この2人の選手の共通点は、「スコーピオンシュート」。 来栖未加がスコーピオンキックで決めた劇的なシュートを例えたんですね。
ダイアゴナルラン
単行本11巻より。白鳥綾がポジションチェンジによって、機能してきたことに対して言われた言葉。
「ダイアゴナルラン」とは、斜めに走ることです。
ダイアゴナルラン。難解なサッカー専門用語らしく、カタカナ語だ。語源は英語の「Diagonal run」。直訳すると、「斜めに走ること」だ。「ダイアゴナル」は、直訳すると「斜め」だ。
いまさら聞けない、ちょっと詳しいサッカー用語講座。「ダイアゴナル …
斜めに走ると、味方からボールを受けるやすいし、ゴールにも向きやすいということです。
ダンシングスワン、オフサイドラインで生まれた女、こいつもいいキャラです。
「クラマー」ってどういう意味?
たくさんの難解なサッカー用語もこれでわかったと思いますが、そもそもわかっていないのが、「さよなら私のクラマー」というタイトルの「クラマー」。
クラマーとは、「デットマール・クラマー」のことです。
クラマー氏は、日本サッカー界初の外国人コーチであり、日本サッカーの歩みに多大な影響をもたらした人物。
デットマール・クラマー(ドイツ語: Dettmar Cramer, 1925年4月4日 – 2015年9月17日)は、ドイツのドルトムント出身のサッカー選手、サッカー指導者。
デットマール・クラマー – Wikipedia
クラマーは日本サッカー界初の外国人コーチであり、サッカー日本代表の基礎を作り日本サッカーリーグの創設にも尽力したことから「日本サッカーの父」と称された。
単行本11巻まで読んできましたが、クラマー氏と物語がどうつながっているのか全然わかりません。
もっとコーチ目線、監督目線の戦術に長けた試合をしていくということでしょうか?
それとも「さよなら」といっているので、今までの日本サッカーの決別したような内容になるのか。
全然わかりませんが、内容はとても面白いので、皆さんもぜひ一読を!!
コメント