パニック障害の治療法には主に薬物療法と認知行動療法があります。
薬物療法
薬物療法は、薬を飲むことによってパニック発作や予期不安、広場恐怖、その他の症状を抑える効果がありますが、結局は「抑える」効果しかないので、「治す」ことには至りません。パニック障害を治すには認知行動療法を行い、自分の苦手とする場所や状況においても自分で自分をコントロールできるようにならなければなりません。
認知行動療法
認知行動療法とは、認知療法と行動療法が合わさった言葉で、簡単にいうと、パニック障害患者の誤った考え方や心のクセ(認知)を行動を通して変えていくという療法です。認知行動療法は特に広場恐怖に有効的です。
電車に乗ることが恐いパニック障害患者(仮にAさんとする)を例にあげてみます。
Aさんは電車に乗ることに恐怖を感じるわけですが、電車に乗るという状況がAさんの心に恐怖を作り出しているわけではありません。電車に乗るという状況に対して、Aさんが「電車に乗ってパニック発作が起きたらどうしよう。」と考える(思考)から、恐怖という感情が生まれるのです。状況が感情を生むのではなく、状況に対する思考が感情を生むのです。
「電車に乗ってパニック発作が起きたらどうしよう。」というAさんの思考は、不安を助長する誤った認知です。他の人にはそういった思考はないので、恐怖という感情も生まれません。そういった考えやそうやって考えてしまうAさんの心のクセを変えていくことを「認知再構成」と言います。
Aさんは自分の心のクセを知り、その考え方が間違いであると知ったとしても、それでも電車に乗ることは恐いと思います。当り前ですが、長年恐れていたものに、例え考え方が間違っていたからと言って、すぐに平気になることはおそらくないでしょう。ではどうすればよいかというと実際に乗ってみるしかないのです。
だからと言って闇雲に乗るのではなく、計画的に段階を設けて乗っていくのです。例えば、最初のうちは電車を眺めるだけでいいです。そうやって少し慣れたら、一駅だけ乗ってみるのです。恐ければ誰かに付き添いを頼んでも構いません。そしてまた、慣れてきたら次は2駅、次は3駅と伸ばしていって、そのうちに次は急行に乗ってみるなどと、自分に過ごしずつ負荷というか試練を与えていくのです。これを「段階的曝露(暴露)」と言います。
こんな感じで進めていくのが、認知行動療法というものです。しかし、認知行動療法のポイントはいくつもあって、これらに呼吸法やリラクセーションを取り入れたり、イメージトレーニングを取り入れたり、上手に進めるコツや、ほかにも注意点などもありますので、できれば医師の下で行ったり、認知行動療法の本を買ったりして、知識を深めることをおすすめします。
僕のおすすめする本です。よかったらどうぞ。
まとめ
最後に言いたいのが、認知行動療法は家族や友人の支えが必要になってくるときがありますので、パニック障害患者の周りにいる方々は、できれば手伝ってあげてほしいと思います。
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