坐禅は丹田呼吸法や瞑想でも使われるように、体の緊張を弛め、リラックスするにはとてもいい姿勢だと思います。毎日の生活に坐禅を取り入れてみてはどうでしょうか。
1.姿勢を決める。
a.坐布に尻を落として坐る。(代用として枕か、座布団を2,3枚重ねたぐらいの高さのものを使ってもよい。ただし、あまりフワフワしたものは坐りにくい。)
b.右のヒザを折り曲げて左のモモの上に載せる。(これがきついようだったら、左足の下においてもよい。)
c.左ヒザを折り曲げて右のモモの上に載せる。
d.右てのひらを上に向けてヒザにおき、その上に左手を重ねて親指がかすかに触れ合う程度にする。
e.上体を斜め前にたおしながら、尻を少し浮かして後ろに突き出すようにしてから垂直に戻す。
f.このとき、下腹を前へ突き出すように腰に力を入れる。
g.頭頂で天をつくつもりになって正面を見てから、目を楽に落として視線を約1mほど先に向ける。焦点を合わせないで、見るともなく見ないともない状態。
2.数を数える。
姿勢が決まったら呼吸を数えるといいでしょう。「いーち」「にー」「さーん」と、呼吸を10まで数えて。10になったらまた1から数えます。途中でいくつを数えていたかがわからなくなったら、また1から数え直します。このやり方は単純で簡単なようでいながら、なかなかむずかしく、数えている途中で雑念が湧いて自分が今いくつを数えていたかがわからなくなります。最初のうちは。5まで数えられたらいい方ではないかと思います。
心の中で「いー」と言いながら吐いて「ちー」と言いながら吸う。吐く時間を長くし、吸うときは自然に任せてすーっと吸います。この「いー」と「ちー」とでは、感覚がちがいます。「いー」と吐きつづけているときには、意識が透明で澄んでいて集中していきます。そして、「ちー」と、吸うときには、意識はファーと浮くような感じでリラックスします。そういう呼吸のリズムを楽しんでいると、30分という時間はすぐにたってしまいます。
数を数えることのよさは、数には意味がないことです。単位をつけなければ数はただの数にすぎません。km、g、枚、円という単位がないと意味がないので、連想が次から次と発展しないからです。
引用 : ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法 – スポーツからスピーチまで (2002) 有田秀穂・高橋玄朴
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