パニック障害の主な症状について

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『パニック障害』

パニック障害は心の病です。以前は不安神経症と呼ばれていました。いわゆる神経症の一種です。

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パニック発作

パニック障害は「パニック発作」が起こることで発症します。パニック発作とは、突然不安や恐怖といった感情と共に、体にさまざまな変調を感じる発作です。

具体的には、動悸・息切れ、手足・全身の震え、手足の汗ばみ、胸の圧迫感や痛み、窒息感や息苦しさ、過呼吸、めまい・ふらつき、吐き気や腹部の不快感、口の渇き、悪寒・ほてり、筋肉の緊張、しびれ、うずき、非現実感、疎隔感、考えがまとまらない、頭が真っ白になる、発狂やコントロール不能への恐怖、死への恐怖、などの症状に襲われます。

上記した症状の中でもひとによって起きない症状もありますが、上記した症状のうち1つだけではなく、心臓や呼吸に関わるものを含んだ4つ以上のものが同時に、何の前ぶれもなく起こるのがパニック発作と言われています。

パニック発作はとても激しく、このまま死んでしまうのではないか?発狂するのではないか?自分で自分をコントロールできなくなるのではないか?と思わせます。

パニック発作は突然起こるので、原因が本人にもわかりません。実際には危険が迫っていないのに、危険が迫っているかのように心身が反応してしまうのがパニック発作です。

パニック発作は、多くは数分程度、長くても30分程度で治まりますが、1時間続いた症例もあります。

パニック発作は誰にでも起こり得るもので、パニック発作が起きた=パニック障害ではありません。また、他の精神疾患を患っている方もパニック発作を起こすことがあります。

予期不安

パニック発作を1回もしくは複数回体験すると、次に起こるパニック発作を予期し、不安にとらわれてしまいます。それを「予期不安」と言います。

パニック発作がまた起きるのではないか?次にパニック発作が起きたときは前よりもっと強く激しいのではないか?次こそ死んでしまうのではないか?気が変になってしまうのではないか?自分がコントロールできなくなって、事故を起こしたり、他人を傷つけてたりしてしまうのではないだろうか?次に発作が起きても誰も助けてくれないのではないか?発作が起きた場所から逃げ出せないのではないか?発作を起こして恥ずかしい思いをするのではないか?などといった不安にとらわれてしまうのです。

また、パニック障害の場合、体にはどこも異常はないので、パニック発作を起こしたので内科を受診したとしても「どこも悪くありません」と言われ帰されてしまいます。本人にも発作が起きた原因がわからず、医師も原因を教えてくれません。そこがまた不安を増幅させる要因でもあります。

広場恐怖

また、パニック発作を1回もしくは複数回体験すると、苦手な場所や空間が出てきます。もしも逃げ場のないこんな場所でパニック発作が起きたらどうしよう、もしも見ず知らずの人に囲まれたあんな場所でパニック発作が起きたらどうしようと考えてしまうのです。これを「広場恐怖」と言います。

広場恐怖とは「アゴラフォビア」というギリシャ語を直訳したものです。ですから、広い空間を恐れるのが広場恐怖と勘違いされがちですが、人ごみの中や逃げられない場所を恐れるという意味です。

広場恐怖によって特定の場所や空間を必要以上に恐れて避けるようになります。そして、実際に、自分が嫌だと思う場所や空間に近づいただけで、心臓がドキドキしたり、息が苦しくなったり、吐き気などの症状を起こしたりします。そしてまた症状が起きたりパニック発作が起きたりすると、広場恐怖で恐れる場所や空間はどんどん広がり増えていきます。

広場恐怖によって、一人では外出できない、電車に乗れないといった症状におちいる例はたくさんあります。その他にもパニック障害を患っている人が苦手とする場所に、大通り、人ごみ、エレベーター、エスカレーターなどのまわりに見ず知らずの他人がいて、自分の意思ですぐそこから離れることができない場所や、他にも、車の渋滞、高速道路、会議、スーパーなどのレジ待ち、行列、イスに座らされてすぐに立ち上がれない美容院や歯科医院があります。

広場恐怖はすべてのパニック障害の患者さんがなるわけではありません。

パニック障害の特徴は、上記したパニック発作、予期不安、広場恐怖です。パニック障害を患うと、パニック発作、予期不安、広場恐怖に襲われ、不安や恐怖、体の変調にいつも悩まされ、日常生活に支障をきたしたり、社会生活にうまく順応できなくなってしまうのです。

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