自律訓練法 – 3. ポイント

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受動的注意集中

公式言語の意味に対して、受容的なさりげない注意を向けることを、受動的注意集中という。気持ちを落ち着けようという目的をもって努力すれば、それに伴って必然的にある種の緊張が生じてくる。この緊張は、いま得ようとしているリラックスとは相反するものである。リラックスし、気持ちの落ち着きを得るためには、気持ちを落ち着かせようという目的意識が強すぎてはいけない。条件を整えたあとは、「気持ちが落ち着いている」という言葉を無心に頭の中で繰り返すだけでよい。そして、さしあたり、少しでも落ち着いた状態であれば、それに満足しておくのである。受動的注意集中は、背景公式に限らず、すべての公式を練習する上で、きわめて重要なことである。

練習をしないほうがいい人

当てはまる人は、その公式を飛ばして次の公式に進みましょう。
・第3公式(心臓調整)→もともと心臓の悪い人、現に心臓の症状がある人
・第4公式(呼吸調整)→呼吸器系の病気の人
・第5公式(腹部温感練習)→胃・十二指腸潰瘍の人

時間区分

自律訓練法の練習を進めていくと、時間が長くなるのではないかと危惧する人も出てこよう。例えば、背景公式に1分、重感練習に3分、温感練習に3分を使うならば、7分かかる。第3公式、第4公式とさらに練習を進めていくならば、1回の練習に30分くらいかかるようにならないかという心配である。

しかし、その心配はいらない。右腕の重たい感じを出すだけののために最初は3分間使っても難しかったものが、やがて練習を重ねるうちに、両腕両脚の重たい感じの練習に、30秒もかからなくなる。そして、やがては、訓練姿勢をとって両腕両脚に気持ちを向けるだけで重たい感じがわかるようにもなる。つまり、体の生理的な状態が、反射的にそのように変わっていくのである。したがって、仮に練習時間が3分しかなくても、重温感練習の時間は数十秒も必要でなくなり、あとの2分を使ってほかの練習をすればよいということになる。

習得の目安

これらの練習を習得するのに、はやい人で2ヶ月、おそい人で半年かかる。中にはもっと期間のかかる人がいるかもしれない。2ヶ月くらいで習得してしまった人も、練習を継続していくことが大切である。

引用:自律訓練法の実際 – 心身の健康のために (1976) 佐々木雄二

目次
自律訓練法 – 1. 自律訓練法を始める前に
自律訓練法 – 2. 背景公式と6つの公式
・自律訓練法 – 3. ポイント

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