自律訓練法 – 1. 自律訓練法を始める前に

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自律訓練法は、体の緊張・疲れを取る、自律神経のバランスを整える、などの効果があります。手軽にできて、効果抜群です。ぜひマスターしてみてください。

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準備

  • 弛緩しやすい環境をつくること。
  • 外界からの刺激を除去しておくこと。(なるべく静かな場所を選ぶ。ネクタイ、バンドや帯、腕時計などの身体を圧迫するものは、あらかじめ弛めておく。)
  • 内部刺激を除去しておくこと。(空腹時をさける。トイレに行っておく。)

姿勢

姿勢には3種類ある。

  • 仰臥姿勢
    ベッドやふとんに上向きに寝た姿勢。最も効果が出やすい姿勢。両腕をからだから少し離して、両脇に置く。そのさい、指や手首、肘の関節を心持ち曲げる。両足は、やや開きぎみにし、足先は扇形に開いた位置をとる。心の持ち方として、ふとんやベッドにすべてを任せたつもりになると良い。

 

  • 単純椅子姿勢
    丸椅子など、もたれかかりのない椅子に腰かける姿勢。背もたれがついていても、頭の部分まで支えられていないならこの姿勢で行う。椅子に深く腰かける。そのさい、膝が鈍角になるように坐っても、つまさきもかかとも、床に余裕をもってつく高さの椅子を用いる。両足が充分につかない椅子は駄目。腰かけた後、首も背骨も垂直にぴんと伸ばしてみる。それから、ぐっと息を吸いこみ、つづいて息を吐き出しながら、全身の力を抜いていく。そのようにすると背中は自然に丸く曲がりかげんになるし、首も前の方に傾く。手は、開きぎみにした両方の太ももにのせ、手首から先をその間に垂らすようにし、両手がお互い触れないようにする。

 

  • 安楽椅子姿勢
    ソファなど、背もたれのあるものに腰かける姿勢。単純椅子のときと同じように、足がゆとりを持って床に着くことが大切である。両腕は肘かけに置き、手首のところから少し外して、内側に垂れ下げるくらいが適当。

閉眼

姿勢が決まったら、軽く目を閉じて練習を始める。

消去動作

各回の練習を止めようとするときには、取り消しの動作を行う。これは、練習がうまくいったときばかりでなく、練習効果が全くでなかった場合にも、必ず行わなければならない。自律訓練法は、催眠を母体にしてつくられているので、練習をすすめているうちに、催眠にかかったときに似たような、周囲の状況と隔絶された特殊な意識状態になることがある。そのままの状態のままで、すぐに目を開けて、立ち上がったりすると、ふらついたり、頭の重い状態やぼんやりとした状態がしばらく続いたりする。また、筋肉も弛んでいるので、そのまま立ち上がると、手足の力が入りにくいことがある。消去動作は、このような不快な状態をさけるために行うのであるから、練習の一部として完全に身につけておかななければならない。

具体的には、両手をにぎり、少し力をいれて5,6回強く曲げ伸ばしする。つづいて大きく背伸びするように2,3度深呼吸をし、最後に目を開ける。

練習回数と時間

いったん練習を開始したならば、毎日3回行う。どんなことがあっても、少なくとも2回は行った方が良い。1日の練習時間の配分としては、朝目が覚めたとき、昼食後、夕食後、夜眠りにつく前などが好ましい。1回の練習時間は、最初のうちは3分から5分が適当であるが、正確にその間にいる必要はない。徐々に経験を通して、その時間帯に終わるようになればそれでよい。

引用:自律訓練法の実際 – 心身の健康のために (1976) 佐々木雄二

目次
・自律訓練法 – 1. 自律訓練法を始める前に
自律訓練法 – 2. 背景公式と6つの公式
自律訓練法 – 3. ポイント

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