はからい

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「はからい」とは、「考えたことを行動に示すこと」です。「電車に乗るとパニック発作が起きる」という「とらわれ」をもった人が、「飲み会に誘われたけど、電車には乗らないとそこまでいけないから行くのをやめた。」という行動、このような「とらわれ」に基づいた行動を「はからいの行動」と言います。パニック障害を患う人にとっての「はからい」は予期不安や広場恐怖のような「とらわれ」に基づいて行動を制限してしまうことなどがあります。

僕の実体験を例に「はからいの行動」をあげますと、僕が行動療法を兼ねていろいろな所に買い物をしに行っていた時がありまして、その時どうしても気が乗らない、不安が募って行きたくない時があって、結局「今日はちょっと疲れてるし、大事をとって今日は行くのをやめとこうかな。それにあれは今日は買わなくて大丈夫だし、ネットで買ったほうが安いしすぐ届くから、別にあそこまで行って買うものではないかな。」と考えて、行くのをやめてしまったことがありました。

これは僕の「遠くに行くと予期不安・広場恐怖が出てパニック発作が起きるかもしれない」という「とらわれ」に基づいた「はからいの行動」です。さらに言うなら、僕はあれこれ理由をつけたり、自分の都合のいいような解釈をしています。「買い物に行きたくない」という気持ちを、「疲れているから、ネットで買ったほうが得だから」と自分に言い聞かせてその考えを「合理化」しています。さも自分の意見が正しいんだと言った感じに。

このような「はからいの行動」は、パニック障害や他の神経症の方でなくても、誰にでも起こりうることですし、日常でもよく見受けられると思います。自分の気持ちをいろいろな理由をつけて歪曲し、自分の気持ちを自分の都合の良いように修正する、このような「合理化」によって、はからった行動をとっている人はたくさんいます。

それではパニック障害や他の神経症の方の「はからい」とそれ以外の人の「はからい」では何が違うかと言いますと、前者は「とらわれ」の心理状態が強いので、その分「はからい」も強くなり、結果日常生活から逸脱して、自分を苦しめることになり、また他者にも迷惑をかけることがあります。対して後者は、「はからい」によって多少日常生活を歪めても自分自身を歪めこともないし、また他者に迷惑をかけることもありません。

「はからい」は「とらわれ」は対をなすものです。パニック障害の方は「はからい」と「とらわれ」によって自分の行動の制限を「合理化」し、自分の都合のよいものにしてしまいます。「はからい」と「とらわれ」が強くなるほど、行動の制限はより「合理化」され、生活に支障が出てきます。「とらわれ」による「はからいの行動」はとても楽です。不安も起きないし、安心していられます。しかし、どんどん現実社会から離れた状態になり、パニック障害を悪化させていく一因となります。

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