パニック障害に効果のある「4つの言葉」をわかりやすく図解してみた

パニック障害の4つの言葉の図解

僕が昔むかしに書いた「パニック障害の克服方法」の中で、「4つの言葉」といものがあります。

これは、クレア・ウイークス著の「不安のメカニズム―心の病から脱出するために (ブルーバックス 237)」から引用させてもらった言葉です。

この「4つの言葉」についての説明を文章の中で自分なりに(このときは)わかりやすく書いたつもりだったのですが、読んだ方からいまいちわからない、わからりづらいという意見を今まで何度かもらったことがありました。

それで自分でももっとうまく説明したいなと思っていたところに、「こうやって説明したらわかりやすいかも!」というアイデアが浮かんだので、それを説明したと思います。

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「4つの言葉」とは?

そもそも「4つの言葉」とは以下のものになります。

 前章で説明したように、単純型神経症には、1日中ついてまわる恒常的症状と、時々現れる発作的症状がある。たとえば、胃の中がかき回される、手が汗ばむ、脈拍が速くなるといったようなものは、前者の部類に入る。発作的恐怖で全身がこわばる、心悸高進、心臓の鼓動が急に消える、心臓附近での激痛、震えが止まらなくなる、呼吸困難、めまい、吐き気、これらの症状はある周期をもって襲ってくる。
――――中略――――
どの症状の治療法も二、三のごく簡単な規則から成り立っている。はじめて説明を受けた人はたいてい「それはあまりにも簡単ではないですか。私の場合、もっと思い切ったことが必要のように思いますが」と首をかしげる。しかし、何と言おうと本当に必要なのは、ごく簡単な治療法である。これをどのように行うか、これから説明するが、皆さんは次の支持事項を何度となく読み直すことが大切である。
治療の根本原則は次の四項目に要約される。

  • 直面すること。(Facing)
  • 受け容れること。(Accepting)
  • 浮かんで通ること。(Floating)
  • 時が経つのにまかせること。(Letting time pass)

引用:不安のメカニズム―心の病から脱出するために (ブルーバックス 237)(1974)クレア・ウイークス

引用文の前半に出てくる「単純型神経症」とは、今の時代で言うパニック障害と考えて頂いて結構です。「恒常的症状」とは常に付きまとう体の不快な症状、「発作的症状」とはパニック発作と捉えてください。
この引用文では、これらの症状、パニック発作や恒常的症状の治療法は簡単な規則で出来ている、と書いてあります。その規則とは、直面すること、受け容れること、浮かんで通ること、時が経つのにまかせること、の4つだと言っています。

「4つの言葉」の意味

予期不安や広場恐怖、パニック発作が起きた時にこの「4つの言葉」を実践しようということなんですが、「4つの言葉」を以前僕はこのように説明していました。

直面すること

言葉の通り、症状に直面する。もう少しつっこむなら症状の1つ1つをじっくりと観察する。逃げたり気づかないふりをしたりしないこと。

受け容れること

言葉の通り、症状を受け容れる。症状を受け入れず敵視したり、その症状と闘ったり、症状をどこかに追いやろうとしたり、取り押さえようとしたりしてはいけない。症状があってはいけないもと考えるのはNG。

浮かんで通ること

浮かんで通るとは、気にしない、波風を立てないといった意味。症状をいつも気にかけたり心配しすぎたりしない、症状が出てもあわてふためかない。症状が起きてもほっておき、普段どおりの生活をする。

時が経つのにまかせること

言葉の通り。何でも時間が解決してくれる。どんな病気でも治るのには時間がかかり、過敏な神経が元に戻るにも時間がかかる。

「4つの言葉」を図解してみる

上の説明を読んでもよくわからない(特に「浮かんで通ること」とか)という人のために、そして僕も言葉ではなくイメージで覚えるために、「4つの言葉」を図解してみます。

図解といっても、擬人化っぽくして、イラスト化するだけなんですけどね。これのほうがわかりやすいと思いまして。

例えば、自分の頭のなかを家とか部屋と仮定した場合、自分(というか自分の思考とか感情とか)がその中にいて、不安や恐怖に襲われるということは、その家や部屋の中に不安や恐怖が入ってくる、といった感じですよね。

仮に自分を下の絵のようなヒヨコちゃんとして、不安や恐怖をクマさんとします。

パニック障害の4つの言葉の図解

直面すること

直面する」ということは、そのクマが家に入ってきた時に、「こんにちは」と言ってあげることです。

クマが「おじゃましまーす」と言って来ているのに、それに気づかないふりをしては直面したことにならないし、「やばい!クマが来た!」と逃げても直面したことにはなりません。「直面する」というのは、ちゃんとクマを認識してあげる、ということです。

パニック障害で4つの言葉(直面する)

受け容れること

家にクマが来ることは誰にでもあることです。ですが、パニック障害を患う方はクマを異様に怖がります。クマはちょっとしたら家から出ていきます。たまにまあまあ長く居座ることもありますが、いつかは出て行くものです。

なので、クマが居座ろうとしてもそれを受け入れることが「受け容れる」ということです。

無理に追いだそうとしては受け容れたことになりませんし、敵・異物を見るように構えても受け容れたことにはなりません。「受け容れる」というのは、クマに「そこにいてもいいんだよ」と伝える、ということです。

パニック障害で4つの言葉(受け容れる)3

浮かんで通ること

たまにクマが家の中からなかなか出ていかなそうな時があります。そんな時はクマをほっておきましょう。そして自分は自分のやりたいこと、やらなくちゃいけないこをやればいいのです。それが「浮かんで通る」ことです。

クマの様子を逐一気にしていても浮かんで通ることにはなりませんし、「クマがいる!!」と言って慌てふためいても浮かんで通ることにはなりません。

勘違いしてほしくないのは、クマがいることを気にしてはいけないのではなく、クマの様子を逐一気にしてはいけないのです。クマがいることは怖いかもしれませんが、そのクマは害のないクマで襲ってくるわけはありません。ただ家に少し長く居座っているクマです。そのクマがいても自分のやるべきことはできます。その辺でクマが寝転がっていても、「あークマがいるな」と思って邪魔なら跨げばいいだけです。

「浮かんで通る」とは、クマの存在を意識しながらも自分は自分のことをする、ということです。

パニック障害の4つの言葉(浮かんで通る)

時が経つのにまかせること

クマはそのうち出ていきます。それまで「クマがいること」は意識しても、クマがやることには気にしません。気づいたらクマはいなくなっています。それが「時が経つのにまかせる」ということです。

クマが「いついなくなるんだろ?まだかな?」と結果を急いでは「時が経つのにまかせる」ことにはなりませんし、どうにか帰ってもらおうとあがくことも「時が経つのにまかせること」にはなりません。

気づいたらクマはいなくなっています(お邪魔しましたーとはたぶん言わない)。それでいいのです。浮かんで通っておけば時間が解決します。

パニック障害で4つの言葉(時が経つのにまかせる)

まとめ

いかがだったでしょうか?逆にわかりづらくしていたらすいません。

「4つの言葉」を実践することは僕自身なかなか難しかったり、うまくいかなかったり、「4つの言葉」以外のことをやって悪化させることもたまにありますが、知識として持っておくことや次に不安が来たらやってみようと思っていることで、予期不安やパニック発作との付き合い方も変わってくるのではないかと思っています。

僕自身、悪化させてしまうときなんかはだいたい「4つの言葉」なんて忘れてしまっています(笑)体調が良い時なんて何も考えず、勉強してきた知識も忘れがちですが、この「4つの言葉」に限らず、「こういった対処法があったな」なんて復習することも大事かもしれませんね。

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